AI 責任の所在とは、AI が動いて決めた事が、誰の決めた答えに従った結果なのかを後から辿れる状態のことです。
| 知りたい事 | 答え |
|---|---|
| AI が決めた事は、誰の責任か | その場でどの席が動き、誰が前に決めた答えに従ったかで決まります。1 回の判断ごとに、それを 1 行残します(1 回の判断ごとに残る 1 行) |
| その記録は、誰が書いているか | 株式会社命では、判断の記録の 98.0% を AI エージェントの席が書き、人(代表)が自分で書いた行は 2.0% です(書き手の割合) |
| 人に上がった問いの答えは、誰の物か | 答えた人の物です。人が答えた行の 84.7% は AI エージェントが先に書いた推奨と同じでしたが、決めたのは人だと行に残ります(人に上がった問い) |
「誰の責任か」は、後から辿れなければ答えられない
AI に仕事を任せ始めると、「AI が決めた事で問題が起きたら、誰の責任になるのか」という問いが必ず出ます。この頁では、法律上の責任の解釈は扱いません。扱うのは、その問いが出たときに社内で答えられる材料が残っているかです。
材料が無いと、話は「AI がやった」と「任せた人が悪い」の間を行き来して終わります。材料が在れば、その判断がどの席の仕事で、誰が前に決めた答えに従ったのか、それとも答えが無くて人に聞いたのかを、1 行ずつ確かめられます。私たちは、責任の所在をあとで話し合う事ではなく、判断のたびに書き残す事として扱っています。
1 回の判断ごとに残る 1 行 — 書いた席と、従った答え
株式会社命には「判断の記録」という表があります。判断まで AI に任せる会社の仕組みの中で、AI エージェントが判断を仰いだとき、失敗したとき、躓いたとき、人の手を借りたときに 1 行ずつ書きます。どの行にも、書いた席の名前が入ります。
AI エージェントは迷うと、まず過去の答えを引きます。答えが在ればそれに従い、無ければ自分の予測を書いてから人に聞きます。人の答えには「答え(同じ場面では聞かずに従う)」「任せる(聞かずに動いて事後に知らせる)」の印が付きます。つまり 1 行を見れば、次の事が分かります。
| 行で分かる事 | 責任の所在で言うと |
|---|---|
| どの席が書いたか | その場で動いたのは誰か |
| どの型の場面か | 前にも同じ場面が在ったか |
| 従った答え(在れば)と、その印 | 誰が前に決めた答えに従って動いたか |
| 先に書いた推奨と、人の答え(聞いた場合) | 新しく決めたのは誰か、AI エージェントは何を勧めていたか |
「AI が勝手にやった」と見える判断も、行を辿ると、たいていは人が前に決めた答えの再適用です。逆に、答えが無い場面で AI エージェントが自分で決めていたなら、それは仕組みの穴として見えます。どちらの場合も、話し合いは記録の 1 行から始められます。行の列の決め方は意思決定ログの付け方に書いています。
記録の書き手 — 98.0% は AI エージェントの席、人は 2.0%
判断の記録の行を、書いた者で分けました。人(代表)が自分で書いた行は 2.0% で、残りの 98.0% は AI エージェントの席が書いた行です(社の実測 2026-10-23)。
| 行を書いた者 | 判断の記録の行の中での割合 |
|---|---|
| AI エージェントの席 | 98.0% |
| 人(代表)が自分で書いた | 2.0% |
ここで分けておきたいのは、書いた事と決めた事は別だという点です。AI エージェントの席が書いた行の中には、人の答えをそのまま記録した行も、人が前に決めた答えに従って動いた行も含まれます。書き手が AI エージェントでも、従った答えの欄を見れば、決めたのが誰かは分かります。
記録を人が書く形にすると、忙しい日ほど行が抜け、抜けた日の判断は誰の物か分からなくなります。AI エージェントがその場で自分の名前を入れて書くから、ほぼ全部の判断に「どの席が」が残ります。責任の所在を辿れるかどうかは、人がどれだけ丁寧に書くかではなく、動いた席が書かずに先へ進めない作りになっているかで決まります。
人に上がった問い — 84.7% は AI エージェントの推奨と同じ答え
答えが無い場面で人に上がった問いには、AI エージェントが聞く前に自分の推奨を書いています。人(代表)が答えた行のうち、その推奨と人の答えが一致したのは 84.7% でした(社の実測 2026-10-23)。
8 割を超えて同じなら、AI エージェントの推奨どおりに決めているのと変わらない、と見えるかもしれません。それでも、この行の答えは人の物です。推奨は推奨の欄に、答えは答えの欄に、別々に残っています。だから後で「なぜこう決めたか」を問われたとき、AI エージェントが何を勧め、人がそれを見てどう決めたかを分けて示せます。
推奨と答えを並べて残すと、もう一つ分かる事があります。人が推奨と違う答えを出した残りの行は、AI エージェントにまだ渡っていない決め方がある場面です。その行こそ、次に答えとして書き足す候補になります。同じ型で 7 回続けて予測が当たると、その型を任せる候補として人に上がり、3 回外れると決め方を見直すために人に上がります。判断基準の書き方も、この行の積み重ねから作っています。
責任を人に残す 4 つの線
記録で辿れるようにしても、AI エージェントに決めさせない事は残しています。間違えたときに戻せないか、外との約束になる事です。
| 人が決める線 | AI エージェントがする事 |
|---|---|
| お金(価格・返金・決済) | 推奨を書いて人に上げる |
| 売る物の向き | 推奨を書いて人に上げる |
| 契約 | 推奨を書いて人に上げる |
| 本番への反映 | 推奨を書いて人に上げる |
この 4 つの線の外では、AI エージェントが過去の答えを引いて動きます。指揮の席は毎朝、受付・人の手番・待っている物を見て 1 件ずつ裁きますが、自分で裁くのは人が過去に決めた型の再適用だけで、裁いた事は事後に人に知らせます。新しい型は必ず人に上がります。新しく決める事は人、決まった事を当てはめるのは AI エージェントという分け方が、そのまま責任の分け方になっています。
自社で責任の所在を記録に残す順番
AI エージェントの席に名前を付ける
「AI」とひとまとめにせず、仕事ごとの席に名前を付けます。行に入れる名前が無ければ、どこで動いたかを辿れません。
人が決める線を短く書く
お金・売る物の向き・契約・本番への反映のように、戻せない事と外との約束を先に書きます。この線の中は、AI エージェントが推奨を書いて人に上げます。
1 回の判断ごとに、従った答えを 1 行書かせる
どの席が、どの型の場面で、誰が決めたどの答えに従ったか。答えが無ければ、そう書いてから人に聞かせます。
推奨と人の答えを、別の欄に並べる
人に聞く前に AI エージェントの推奨を書かせ、人の答えは別の欄に残します。後で「誰が決めたか」と「何を勧められていたか」を分けて示せます。
書き手の割合をときどき数える
人が書いた行が多いままなら、AI エージェントが自分で書く作りになっていません。数え方と会社全体の数字は自社の実測にまとめています。
よくある質問
AI が判断した事の責任は、誰にありますか?
この頁では法律上の解釈は扱いません。社内で答えるには、その判断がどの席で起き、誰が前に決めた答えに従ったかを 1 行ずつ残しておく事です。株式会社命では、新しい型の判断は必ず人に上がり、AI エージェントが自分で裁くのは人が過去に決めた型の再適用だけです。
AI の責任を明確にするには、何を記録すればよいですか?
書いた席の名前、場面の型、従った答えとその印、人に聞いた場合は AI エージェントの推奨と人の答えです。推奨と答えを別の欄に残すと、誰が決めたかを後で分けて示せます。
AI の推奨どおりに人が答えたら、責任は AI にあるのですか?
答えたのは人なので、その行の答えは人の物として残ります。株式会社命では人が答えた行の 84.7% が AI エージェントの推奨と同じでしたが(社の実測 2026-10-23)、推奨と答えは別の欄に書かれています。
記録を AI エージェントに書かせて、信用できますか?
人が書く形だと、忙しい日ほど行が抜けます。株式会社命では判断の記録の 98.0% を AI エージェントの席が書き(社の実測 2026-10-23)、どの行にも書いた席の名前が入るので、どの席の行かを後から確かめられます。
出典
- 株式会社命の判断の記録(2026-10-23 に全行を数えた)— 行を書いた者の割合、人が答えた行のうち AI エージェントの推奨と一致した割合(社の実測 2026-10-23)
- 自社の実測 — 会社全体の数字と数え方